滋賀県の土山SAで朝を迎えた。
時刻は午前5時だ。
昨夜は22時に寝たので7時間よく寝れた。
天気は曇、車内で顔を洗いコーヒーを淹れて1服しダイネットから何となく見た景色はトラック群が少し減りバンやワンボックスの仕事車が数十台停まっていた。
エントランスのドアを開けるとアイドリングの音が少し煩く聞こえた。
深呼吸してからSAにあるコンビニで水や菓子パンを買い少し歩いてキャンピングカーに戻り整理整頓し出発の仕度をした。
家に居るときよりも規則正しい生活になっていた。
走りだす前にキャンピングカーをひとまわりして目視確認してエンジンを掛けた。
問題なく快音でセルが回りエンジンが始動する。
ステアリングを握り今日も頼むねと呟き走りだす。
本線に合流し時速80キロビタで走る。
自宅を出て480キロあたりで兵庫県三木SAにて初めてのガソリンを給油した。
46.5リッター入った。
出発時に馴染みのGSの154円に比べるとセルフで184円と予想通り高かった。
給油後も230で走る予定でいたが・・・
どうしてもスッキリしない。
眠気が襲ってきたので運転を断念し福石PAに入った。
寝れはしなかったが10分程横になり暫くしてからまた走り出したが毎日が日曜日なんて言っているオヤジのだらしない生態が露骨に出てしまい、この後230どころではなくなった。
ぐっすり寝たはずなのに起きる時間が早かったのか?
運転し始めると直ぐに眠くなる。
いかんいかん事故だけ回避しなければと・・・
カフェインを摂取したり・・・
大声で昭和演歌を歌ったり・・・
勿論窓を閉め切ってであるが普段のダンディーなオヤジはこれっぽっちも存在しなかった。
暫く走っていたが・・・
ダメだ!!
何をやっても眠くなる。
身体は疲れてないのに頭が機能してない感じだ。
普段は大概嫁さんが助手席に座り何を話する訳ではないが2人でいることを感じるが今回は長い時間1人でいるので脳が誤作動してしまっているのか?
たまらず道口PAに入り常設ベッドに潜り込むが不思議なことに横になると、さっきまでの眠気がどこえやらというくらいに眠くならない。
どうなっているの?
そんなことを思いながら10分程目を閉じ次は宮島を目指すか~と起き上がった。
冷たいコーヒーを飲み運転席に着きオドメータを改めて覗き込むと620キロを表示していた。
まだ半分~か!遠いな~福岡は!と閉め切った車内で奇声にも似た大声で叫んだ。
その声に自分でもビックリ仰天してしまった。
そのことがおかしくて笑う。
笑う自分を俯瞰してまた笑う。
遂にオヤジは気が触れてしまいました。
ひととおり落ち着いたところで、いったん車を降りて、こういう時は少し歩いたり身体を動かしてみてはどうなのかな?と自分に問いかけラジオ体操にならない体操をしてコルドバンクスに再度乗り込んだ。
ヨシッ!!と気合いを入れ走りだすオヤジ。
運転席側の窓を半分開けて風を入れながら走った。
暫くはよかったが徐々に雨が降り出し窓開け作戦は程なくして停戦となった。
ヤバい!このままではまた眠くなる。
コーヒー飲んだりタバコ吹かしたり何とか宮島SAに辿り着くことが出来た。
自宅を出てから751キロ。
生憎の天気で対岸の宮島の鳥居は見えなかった。
スタバもあったが高いので少し腹が減っていたが人も多くてスルーした。
あの猛烈に眠かったのがウソのように眠気は吹き飛びシャキ~ンと運転するオヤジ。
運転は230に戻ったが腹が減って次のPASAに入り食事をとるぞ!とに決めた途端に案内板か出てきた。
出てきた案内板には下松(したまつ)と書いてクダマツPAであった。
相変わらず雨は降っていたが傘をさすのが面倒で急ぎ足で歩いたが杖を突いているのでたかが知れている。
ま~ま~濡れて店内に入り、弁当を物色し直感でこれだ!と俵おむすび鮭弁当を手に取りレジに並んだ。
レジのおばさんが○○円です。レジ袋どうしますか?と尋ねてくるが勿論オヤジは肩掛けカバンからエコバックを取り出し結構ですと答え、詰め込んだ。
ここでも有料化である。
しかし値段がなんと321円である。値段を見ずにレジに行ったのでその安さにビックリ。
神奈川の感覚では600円位かなと思っていた。
自販機で麦茶を買って優雅にコルドバンクスで弁当を食べた。
食べて改めて安さにビックリ、味もオヤジ好みで2度ビックリ。
▽これでなんと¥321
下松PAを出て暫く雨が降り続く山間を230で走り高速の案内板にようやく九州の玄関口である門司の表記が出はじめた。
いよいよ近づいてきた福岡に気を引き締めてスリップ注意の立て看板に濡れた山道の路面に集中し運転するが工事規制で50キロの1車線となりオヤジは後続車に申し訳ないと心でわびながら50キロで走行した。
時々2車線になり自車を左車線に入れると、待ってましたと言わんばかりに加速し追い抜いていく車達に、ご安全にと中指を立てて抜かせてやった。
暫く走ると加速して抜いて行った黒のハイエースが路肩でハザードをつけて停車していた。
その横を50キロで走り抜けるオヤジの目に映ったものはフロントバンパーが凹んで黒のボディサイドもガードレールのそれと判る白い塗料が疎らについて、スリップしたものだと直ぐに判った。
だから言ったじゃんと呟き安全第一で慎重な運転に徹したオヤジ。
門司まで100キロを切り本州最後の壇之浦PAで休憩し風にハンドルをとられたが無事に関門橋を走り一気に古賀ICから市街地を走り無事に目的地に着いた。
到着したのは葬儀会場であった。
その2お終い
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